名古屋正教会

Nagoya Orthodox Church

復活祭の日付の問題

 今年はカトリックやプロテスタントのみなさんは4月12日に復活祭を祝いました。でも、その日、世界各地の正教会の聖堂ではシュロや猫ヤナギの枝を手に「聖枝祭」を祝い、イイススのエルサレム入城を記念し、受難週間の開始を告げました。
 正教会と他教派で復活祭一致するのは何年かに一度です。

 この理由は、正教会が用いている復活祭の決定方式が古代教会の方式をそのまま引き継ぎ、他の教派と異なるからです。
「春分の次の満月後の最初の日曜日」というのが復活祭の日付の決め方の原則ですが、正教会では天文学的な春分ではなく、この決定がなされた第一回全地公会議(ニケヤ)の年(325)の春分の日をユリウス暦上に固定して計算しています。また、ユダヤ教のパスハとともに祝わないという規定(使徒規則7条、アンティオキヤ地方公会規則1条)も守り続け、この二つの要因が複合して他教派の日付と異なるのです。

 現在世界の正教会は教会暦に関して、古来のユリウス暦(古代では最も正確な太陽暦)を採用する教会(古暦派)と、近世になってカトリック教会の指導で改められ一般社会やプロテスタント教会にも採用されるようになったグレゴリウス暦を用いる教会(新暦派)とがあります。古暦派では今世紀と来世紀では13日遅れとなっているユリウス暦をグレゴリウス暦上に当てはめて教会暦を定めますので、例えば降誕祭は1月7日(ユリウス暦上の12月25日)となるわけです。ただ、新暦派の教会も、一部の例外(フィンランド正教会)をのぞけば、復活祭とそれに伴う昇天祭や聖神降臨祭(ペンテコステ)という移動祭日に関しては、その計算の基礎にユリウス暦を採用し、古暦派と同じです。なぜなら、グレゴリウス暦をもとに計算すると「ユダヤ教のパスハとともに祝うべからず」という規定が守れない年が出てくるからです。

 日本正教会は基本的に古暦派ですが、降誕祭に関しては宣教的な配慮から新暦を採用しています。

 正教会の教会暦についてはさらに詳しく知りたい方はhttps://www.goarch.org/-/the-calendar-of-the-orthodox-church